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もう本に迷わない!AI(人工知能)があなたにおすすめの書籍を選んでくれる!

もう本に迷わない!AI(人工知能)があなたにおすすめの書籍を選んでくれる!

最近は、若い人だけでなくいろんな世代の活字離れが問題となっていますよね。でもまだまだ本好きな人も多いはず。私もその一人ですが、それでも本屋さんに行くとあまりの本の多さに圧倒され、何を選べばいいのか迷ってしまいます。実はそんな人のために、AI(人工知能)がおすすめの書籍を選んでくれるサービスがあるんです。

実際、誰もが買う本を決めて本屋に行くわけではなく、何となく本が読みたくなって……とぶらりと訪れる人だって多いはず。そんな時、AI(人工知能)が「この本読んでみて~」と提案してくれたら嬉しいですよね。今まで読んだこともないような新しいジャンルの本との出会いになりますし、思いがけない新しい知識を身につけることだってできるでしょう。

でもどうして、AI(人工知能)が私に合う書籍がわかるんだろう?と疑問がわいてきませんか。実はちゃんとした理由があるんです。

そこのところをくわしく説明しながら、今回は「AI(人工知能)があなたにおすすめの書籍を選んでくれる」というサービスをご紹介していきましょう。これであなたも、本選びに迷わなくなること間違いなし!

表情分析であなたに最適な本をオススメ!

表情分析のイメージ
AI(人工知能)書店員 ミームさん
「AI(人工知能)書店員ミームさん」は、株式会社トーハンと株式会社sMedioとが共同開発した「その人に最適な本をオススメしてくれる」人工知能です。

気になる仕組みですが、店頭に置かれたモニターの前でスタートボタンを押すと、ディスプレイ上部に設置されたWebカメラを通して、AI(人工知能)が利用者の特徴を瞬時に判断します。

つまり、数万人の顔の画像を学んだAI(人工知能)が、カメラに映った利用者の顔を分析してくれるわけです。これは、ディープラーニングによる顔認識技術で、映った人の性別や年代だけでなく、「うれしい」「普通」「悲しい」の表情を推定していきます。その後、特徴や表情に独自のランダム要素を掛け合わせた70以上のパターンに合わせ、トーハンが選んだ本をオススメしてくれるんです。

それに「AI(人工知能)書店員ミームさん」は、オススメした理由まで教えてくれます。たとえば「うれしい」「穏やか」な表情の女性には「この人は、楽しんでいるな」と判断し、“そんなあなたには、大好きな友達と話したくなる青春小説『夜のピクニック』(恩田陸)がオススメです ”と説明してくれます。

このように理由がわかれば、思いがけない本を紹介されても「じゃあ、ちょっと読んでみるか!」と好奇心がわいてきますよね。

こんな「ミームさん」は、これまでの常識を打破するような、本と人との出会いを実現するために開発されました。今まで「本は苦手!」と思っていた人でも、ちょっと本を手に取ってみようかな~と読書のきっかけにつながりますよね。どこかの書店で「ミーム」さんに出会うことを期待しましょう。

次にご紹介するのは、大学が開発したAI(人工知能)によるスゴイ書籍診断です。

AI(人工知能)がSNS投稿から性格分析、自分と似た性格の本を紹介

似ている性格のイメージ
近畿大学は、AI(人工知能)がSNSの投稿内容を分析し「その人の潜在的興味に一番合致する本」を紹介するサービスを提供し、その後、進化系として「その人に似た性格の本を選び出す」スマートフォン用アプリを開発しました(2018年)。
大学生といえば、読書よりSNS 投稿に興味がある年代ですが、確かに本当の自分を出せるのがSNSですよね 。そのあたりをうまく利用して読書のきっかけをつくったともいえるでしょう。

詳しく説明すると、心理学のビッグファイブ理論(「開放性」「誠実性」「外向性」「調和性」「神経症傾向」の性格を表す5つの特性因子)に基づいて、AI(人工知能)がTwitterもしくはFacebookの投稿内容からその人の性格を分析していきます。つまり投稿内容から5つの因子に関係するような言葉を抜き出し、その言葉が出てくる回数によって、どの性格に近いかを判断していくわけです。

たとえば、「開放性」に関係する言葉として〈想像〉〈創造〉〈知的〉〈教育〉などがあげられていますが、たくさん使われていると、創造力や知的好奇心が強い性格だと診断されるんです。

また、近畿大学図書館の7万冊の蔵書についても書評を分析して、5つの因子に関係するような言葉の出現回数を調べていきます。そして、蔵書の内容がどの性格に近いかを分析し、最終的にその人の性格と最も近い本を選び出していきます。まさに、AI(人工知能)が「今のあなたにぴったりな本ですよ!」と書籍を選んでくれるんです。

このサービスを利用した学生によると、自分の興味や関心に近い書籍が紹介されるだけでなく、普段は手に取らない意外性のある書籍が紹介されるというケースもあるとのこと。

しかも、AI(人工知能)による「自分に似た本」マッチングサービスを始めて、貸出冊数がなんと約160%も増えたんです。これからも若者の読書率アップに貢献していくでしょう。

では、次に書店員とAI(人工知能)の選書対決をご紹介しましょう。

書店員とAI(人工知能)の選書対決! さあ勝つのはどっち?

AIと人の対決のイメージ
本屋さんに出かけると、「今月のおすすめ本」「感動する本」「もう読まずにはいられない本」など華やかなポップとともに、選ばれた本が所狭しと並んでいますよね。これは書店員さんの経験や、売り場のコンセプトなどから人の手で選び抜かれた本ですが、とうとうAI(人工知能)の選んだ書籍も店頭に並ぶ時代になりました。

その名も「書店員とAI(人工知能)による選書対決フェア」(2018年5月)。開催されたのは、東京日比谷の「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」選書テーマは「大人の青春」。

どうしてAI(人工知能)が、テーマに沿った書籍を選ぶことができるのか不思議ですよね。ここで使われた「選書AI(人工知能)」は、自動で選書を行う「SeleBoo(セレブー)」というサービスなんです(富士通と日販の共同開発)。

この「SeleBoo(セレブー)」には、約350万点にのぼる書誌情報や単語辞書、全国3000書店の販売実績や、売り上げ、在庫といった市場の情報などがインプットされています。それらをもとに、テーマに合った本を選んでいくのです。

また、選書結果を書店員が評価することで、AI(人工知能)が書店員の知識や感性を機械学習し、それを繰り返すことで選書能力を高めているんです。なので、人が見たり考えたりすることに、かなり近づいているといってもいいでしょう。

そして、いよいよ対決! 今回のテーマ「大人の青春」の選書にチャレンジした書店員と「選書AI(人工知能)」ですが、“大人”の共感を呼ぶような本、笑える本、エールをもらえるような本を20冊ずつ選び、どちらかわからない状態で店頭に並べました。
気になる結果は、、、、、
65冊対32冊
書店員が圧倒的な大差で、勝っちゃいました!

ちなみに選書対決フェア売上トップ3は
・第1位 『ときめかない日記』
・第2位 『世界は終わらない』
・第3位 『夕暮れの時間に』でした。

このように書店員の選書が支持された勝因として、店長さんいわく「人間側の強みは、店で売れているものをイメージ像で把握しながら選書できたこと。全体のバランスを見ながら本を決定できたこと。そしてやはり、ほんとうにおすすめしたいものを選び、自分の言葉でPOPを書くことができたことにあると思います」とのこと。

しかも書店員は、毎日お客さんの顔を見ながら応対しているので、店を訪れる人の姿を想像でき、本の表紙や字体など、好まれる微妙な雰囲気なども知識や経験で得ることができたのでしょう。

同じ人間として書店員さんさすが!とエールを送りたい気分になります。でも「選書AI(人工知能)」が並べた書籍も、多くのお客さんの指示を得たのは事実です。これからAI(人工知能)も、人間の知識や経験を学習しながら、どんどん力をつけていくでしょう。あなたが本屋さんに入っただけで、読もうと思っていた書籍をAI(人工知能)が当ててしまう、なんて時代がくるかもしれまん。何だかワクワクしてきますよね。

最後にご紹介するのは、対話が得意な「AI(人工知能)さくらさん」です。

本探しならまかせて! 対話型システム「AI(人工知能)さくらさん」

笑顔のさくらさんのイメージ
皆さんの中には「AI(人工知能)さくらさん」という名前を聞いたことがある方もいるでしょう。AIZINE(当サイト)でも何度か取り上げている「AI(人工知能)さくらさん」は、ティファナドットコムが開発したAI(人工知能)搭載の対話型システム。なので利用者からの質問に答えることが得意なんです。たとえば、ホテルのフロントやコールセンター、駅や銀行などでもすでに活躍中です。

そんな「AI(人工知能)さくらさん」は書店でも活躍し始めました。大量のビックデータを分析してお客さんの読みたい本や、相談にも瞬時に答えてくれるんです。

たとえば、「センター試験の勉強をするのに、一番人気な参考書はなんですか?」とばく然と聞いても、「一番人気の参考書はこちらです」とURLとタイトルを教えてくれます。他にも「あの俳優が主演のドラマの本が読みたい」などのリクエストにも答えてくれます。

書店にある検索機には、「タイトル」「著者」「出版社名」などを入れないと検索できませんが、「AI(人工知能)さくらさん」は、書名すらわからないような本の検索もできるんです。

しかも、お客さんのリアクションから技を磨いていきながら、答えを学んでいく優れものです。なので、答えを聞いたお客さんの納得しない表情を読み取ったときは、「あっ!まずい、次回はちょっと違う観点から答えを出そう」と学習していくのでしょう。

最近では人手不足で、書店員さんもお客さんに丁寧な対応ができないことがありますよね。そんな時は「AI(人工知能)さくらさん」にお任せすれば、きっとお客さんに最適な本を紹介してくれ、喜ばれるはずです。

AIが選出する本のイメージ
今回は「AI(人工知能)があなたにおすすめの書籍を選んでくれる」というサービスを4つ紹介してきました。

簡単にまとめてみると、

  • 顔の表情分析であなたに最適な本をオススメしてくれる「AI(人工知能)書店員」ミームさん
  • 近畿大学が開発した、AI(人工知能)がSNS投稿を分析して、自分と似た性格の本を紹介してくれるサービス
  • 書店員とAI(人工知能)による選書対決フェア
  • 対話しながらおすすめ本を探し、紹介してくれる「AI(人工知能)さくらさん」

どれも、興味深くて一度は試してみたいですよね。

何しろ今まで、読みたい本くらいは自分で決めるものだと、勝手に思っていたところがありますが、ネット検索でも本屋さんでも、自分で探すと同じ作家、同じジャンルになり代わり映えしないのが現実です。でもAI(人工知能)に意外性のある本を紹介されると、絶対読んでみたくなっちゃいますよね。それに自分の顔の表情や、性格から分析された本ならなおさらでしょう。

近年は、1日当たり200冊以上が出版されるともいわれる出版ラッシュ。誰の目にも触れないで廃刊になる本も少なくないのです。でもAI(人工知能)による選書サービスで、大量の書籍の山から「あなたに合う本はこれ!」と、埋もれていた1冊を見つけてもらえるときっと本もうれしいはず。それに、活字は苦手だと思っていた人も、読書のおもしろさに気づいてくれるでしょう。

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