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奪われるばかりではない!AIによって生まれる新しい雇用とは

AIと人間のイメージ

「AI(人工知能)が人間に代わって様々な仕事をこなすようになり、雇用が奪われるかもしれない」昨今こんな話をよく耳にしますよね。

「自分がいま就いている仕事は、将来なくなってしまわないだろうか?」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2015年に野村総研が行った調査では、2030年ごろまでに現在の労働人口のうち49%分の雇用が、AI(人工知能)の進化によってなくなるという衝撃的な発表がなされました。

にわかには信じがたい数字でしょう。このような話を聞くと、多くの人が職を失い、苦しい生活を強いられる、そんな暗い未来を思い描いてしまうかもしれません。

しかし、AI(人工知能)の台頭は、人間の雇用を奪うばかりではないのです。

AI(人工知能)の活用が広がるにしたがって新たに生まれる職業もあるといわれています。

そこで今回は、そんなAI(人工知能)の台頭が生み出す新たな雇用の数々と、AI(人工知能)と人間が共存する未来の世界についてお伝えしましょう。

これまでにもあった「雇用が奪われる危機」それでも人々は生き抜いてきた

インターネットのイメージ

テクノロジーの進歩により人間の雇用が奪われるという現象はこれまでにも数多くありました。20世紀初頭から現在までのおよそ100年間、テクノロジーの目まぐるしい発展により世の中は大きく様変わりしましたよね。

例えば、20世紀の中頃までは「電話交換手」という職業が存在し、多くの人が従事していました。当時は電話をかける際、いったん「電話交換手」を呼び出し、相手の電話番号を伝えることにより人の手で電話を繋いでもらう必要があったのです。

現在の電話通信網は「自動交換機」により、電話番号を指定すれば自動で話したい相手の電話機につなぐことができるので、「電話交換手」という職業も時代とともに消滅していきました。

一方で、この30年の間にインターネット網は急速に発達し、多くの作業がシステム化・オンライン化され人々の負担を軽減してきました。

それにより、ネットワークインフラエンジニアや、システムの構築・運用などの新たな職業の需要が拡大していったことはご存じのとおりかもしれません。

テクノロジーによって奪われる雇用があればまた生み出される雇用もあるということが、何もAI(人工知能)に始まったことではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

AI(人工知能)が生み出す雇用 その特徴

アドバイスをするイメージ

それでは、AI(人工知能)は具体的にどのような雇用を生み出してくれるのでしょう。

それを紐解くためには、AI(人工知能)の普及によって世の中がどう変化していくかについても併せて考えてみる必要がありそうです。

まず考えられるのは、今後ロボットが各家庭に普及することによりAI(人工知能)が人々の生活に広く浸透していくと、家庭でのAI(人工知能)の個人利用も一般的なものになるでしょう。

ロボットがアシスタントとして人間と接していくなかであらゆるトラブルや問題に見舞われることもあるかもしれません。そうなると、一般ユーザーに対してAI(人工知能)にまつわるトラブルや疑問などの問い合わせに応じる役割も必要になります。

「AIアドバイザー」とでも言いましょうか。AI(人工知能)やロボットに関する豊富な知識を持ち、トラブルや疑問などの対応だけでなく、より価値のあるAI(人工知能)活用の提案など、AI(人工知能)に関する幅広いサポートのできる人材が求められるようになるのでしょう。

職人技を伝授 AI(人工知能)を教育する「AIトレーナー」

トレーニングをするイメージ

産業用ロボットにも、AI(人工知能)が搭載され、人間の行うあらゆる作業を代替していきます。そうなると、やはりここでもAI(人工知能)に雇用が奪われていくのかと不安になってしまいますよね。

ですが、AI(人工知能)といえど全知全能というわけではありません。

これまで職人と呼ばれる人たちが担ってきた、繊細な作業や判断をAI(人工知能)に教え込んでいくという作業は、人間が行う必要があります。
AI(人工知能)を教育・指導する、いわば「AIトレーナー」といった職業が新たな雇用として創出されるでしょう。

もちろん、AI(人工知能)を教育・指導することが仕事なので、ここでもAI(人工知能)やロボットに関する専門的な知識と技術が求められます。

ロボットをもっと安全・快適に 求められるセンシング技術の向上

自動運転のイメージ

これまで見てきたようにロボットやAI(人工知能)が日常生活にまで普及してくると、その安全性もより高い水準が求められるようになります。

例えば、いまトレンドとなりつつある「コネクテッドカー」。自動運転のクルマが公道を行き交うようになれば、当然事故を起こさないことが必須の条件になるでしょう。
そのために重要な役割を担うのが、障害物や車体の異常などを検知するセンサーと、その能力を高めるセンシング技術です。このようなセンシング技術の研究・開発や、AI(人工知能)への活用が新たな雇用として需要を伸ばすことが考えられるのです。

そして障害物や、周囲の状況を的確に判断するために、あらゆるデータを正確に検出・収集しなければなりませんし、深夜帯や悪天候、災害時など特殊な状況下においても正確かつ安全に動作するためには、感度の高いセンサーの開発が求められます。

また、映像や画像の認識もロボットやAI(人工知能)には欠かせない要素のひとつです。

より精緻でクリアな画像記録・解析技術に関する研究開発や、それらをディープラーニング等の仕組みを通じてAI(人工知能)へ応用していく技術は不可欠なものとなっていくでしょう。

AI(人工知能)の教科書 ビッグデータを解析するアナリストが活躍!?

データサイエンティストのイメージ

そもそも 「機械学習」や「ディープラーニング(深層学習)」といわれるAI(人工知能)の学習には、膨大な量のデータが必要です。そのため、データ解析分野の人材も需要が高まることが予想されます。

いわゆる「データサイエンス」や「データサイエンティスト」といった言葉は一度は耳にしたことがありますよね。

企業の経営方針や販売戦略など重要な意思決定にAI(人工知能)の判断を仰ぐといったことも今後大いに考えられることではないでしょうか。そのような場合、その判断の基盤となるものがBI(ビジネスインテリジェンス)、いわゆるビッグデータといわれる類のものです。

現在では、流通小売業のPOSデータや、交通機関のIC乗車券の履歴などあらゆる場面で日々データが収集され続けていることはご存知のことでしょう。

これらのデータさえあればAI(人工知能)が勝手に学習して賢くなってくれるというのであれば何も問題はありませんが、膨大な数のデータをいかにAI(人工知能)に効果的に与えて学習させるか、というところは人間の裁量に委ねられています。

そういった理由からも今後、「データサイエンス」に関わる雇用は拡大していくでしょう。

 

コミュニケーションのイメージ

いかがでしたでしょうか。このようにロボットやAI(人工知能)の普及は、人間の雇用を奪うばかりではないんですよね。

今回ご紹介したもの以外にも、新たに生み出される雇用は様々なものがあります。AI(人工知能)の活用拡大を、雇用機会の減少ととらえるのではなく、仕事において人間の担う分野がシフトしていくととらえると良いでしょう。

そのためには、もちろんAI(人工知能)やロボットに対する知見を豊富なものにしておくことは必要ですが、AI(人工知能)を有効活用するための、柔軟で斬新な「発想力」現状の問題を正しく把握・認識するための「問題解決力」、そして人間とAI(人工知能)が協働して目的を達成するための「コミュニケーション力」が、人々が新たな雇用を創出するうえで重要なスキルです。

ですからAI(人工知能)に負けないように、新しいスキルを磨いていきましょう。

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