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シンギュラリティは実現する?レイ・カーツワイルの未来予測がすごい

シンギュラリティは実現する?レイ・カーツワイルの未来予測がすごい

最近では「シンギュラリティ」という言葉を耳にする機会も増えましたよね。「AI(人工知能)が人間よりも賢くなる」という未来予想図に「えっ、そうなの?」と驚く人も、「いや、本当に来るわけないでしょ」と否定する人もいますが、今多くの人がシンギュラリティに(技術的特異点)に関して関心を持っています。

そんな中で「シンギュラリティ」の言葉の意味を調べていくと必ず(と言っていいほど)出てくるのが、「レイ・カーツワイル」という名前。レイ・カーツワイルは私たちにも広まっている「シンギュラリティ」という言葉を、一般的に広めた人物として有名になりました。

とはいえ、それだけだと「レイ・カーツワイル=シンギュラリティ」印象が強いかもしれません。しかしこの人、なんとシンギュラリティ以外にも予言をいくつか残しています。そしてすごいのは、2019年現在の今でも結構的中しているものがあるんだとか!

まえだまえだ
まえだまえだ

えっ、レイ・カーツワイルという人は実はかなりすごいのかも。もしかしたら彼の話している「シンギュラリティ」も、近いうちに実現してしまうのかな・・・!?

ということで今回は、「レイ・カーツワイル」という人について、さらに彼が残した未来予測とその代表である「シンギュラリティ」なども含めてお伝えしましょう!

まず、レイ・カーツワイルとはどんな人物かをご紹介

伝記のイメージ

レイ・カーツワイルは本名を「レイモンド・カーツワイル」といいます。Wikipediaによると、職業は「発明家」「実業家」「未来予測家」という3つの肩書きを持っています。といってもどんな人なのかイメージしにくいので、まずはレイ・カーツワイルの人柄が最もわかりやすく出ている「発明家」の側面からご紹介します。

レイ・カーツワイルが発明家になろうと決めたのは、なんと5歳の時だとか。そのきっかけは「発明家は世界を変えることができる」と思っていたことだからです。子供なのにも関わらずすごいですよね!

その後12歳でパソコンに触れてからは、統計やプログラムを作るのに熱中しました。20歳で起業して以来、彼がに発明したものは

  • オムニ・フォント式OCRソフト(数種類の異なるフォントがある文章を読み取ってくれるソフト)
  • フラットベット・スキャナー(一般的スキャナーに使われている、光を照らして原稿を読み取るスキャナ)
  • 人工知能が入ったシンセサイザー(ちなみにこのシンセサイザーの発明するきっかけになったのが、有名な曲をたくさんつくったスティービーワンダーです)
  • 文章音声読み上げマシン(人工知能によって、より人間が話す速度に近い話し方ができる)

などがあります。確かに人工知能が入っているシンセサイザーはいまでも販売されており、スキャナーは今のコピー機に入っているので多くの人が見たことがあるに違いありません。つまり、カーツワイルは私たちの身近な存在になりそうな発明をしてきました。

そんな彼の研究のモチベーションになっているのは、「亡くなった父にそっくりなAI(人工知能)を作りたい」でした。もともとレイ・カーツワイルの父は音楽家だったのですが、若くして亡くなってしまいました。そこで彼のDNAの情報や音楽の資料などを集め分析し、いつかそのAI(人工知能)を開発して、一緒に語り合いたいんだとか。なんだか夢がある話ですよね・・・。

そしてレイ・カーツワイルは2012年にGoogleに入社しました。実はカーツワイルがGoogleに入社するとき「えっ、技術者ではないのになぜ?」「結構めちゃくちゃなことを言っている人だけど、大丈夫なの?」などさまざまな声がありました。それでも入社した理由は、カーツワイルが唱えている理論をGoogleが開発しているAI(人工知能)に取り入れようという目的がありました。そのため、現在カーツワイルはGoogleの機械学習や自然言語処理の技術責任者になっています。

まえだまえだ
まえだまえだ

Googleの先見の明がすごすぎる。

彼がGoogleで発明したもので皆さんにとって身近なシステムが、メールの文面を認識して、一言で返信できるように選択肢を用意した「スマートリプライ」。例えば仕事のメールでのやり取りの時に「ありがとう」と一言返事するのに、いちいちキーボードに打ち込むの、めんどくさいですよね。

それをキーボードでわざわざ入力しなくてもいいように、ボタン一つで返信できるようにしました。しかもこれのすごいところは、メールの内容をAI(人工知能)が読み取ってそれに合わせた返信内容を用意してくれるところ!

※スマートリプライについては、この記事にも少しだけ取り上げています

なるほど、文字を打ち込まずにポンっと返信できるのはとても便利です!とはいえカーツワイル氏は一言で返事できるだけでなく、今後はAI(人工知能)が文章作成を手伝ってくれるシステムを作りたい、とのこと。まだまだ彼の「発明家」としての発展はとどまることを知りません。

そんなレイ・カーツワイルは、自分の本の中でいくつか予言を残しているんです。次は「未来予想家」としての側面として、その予言について紹介しましょう。

レイ・カーツワイルの残した予言がすごい!

予言のイメージ

レイ・カーツワイルは1999年に出版した「スピリチュアル・マシーン」でいくつかの予言を残しました。この本ではかなり多くの予言をしているが、いくつか例として取り上げてみましょう。

  • ケーブル類がほとんど使われなくなる
  • 紙の書類がほとんど使われなくなり、デジタルでやりとりをするようになる
  • 経済が発展し、繁栄がつづいている、など

※このほかにも、レイ・カーツワイルの予言についてはこの記事でも触れています

とはいえこの内容を見ていると、「なんかすごそうだけどちょっと当てはまっていないのでは?」と感じるかもしれません。ところが他の予言をよくよくみていくと、実は2019年の現在でも「あ、これあてはまるわ」というものもあります。では、その実現しているレイ・カーツワイルの予言(もしくは、もうすぐ実現しそうな予言)を詳しく取り上げましょう。皆さんにもわかりやすいように、なるべく身近な例で紹介します。

私たちがAI(人工知能)やロボットに対して不安を持っている

不安のイメージ

AI(人工知能)やロボットの発展があまりにも早いがゆえに、私たち一般人がついていけていない部分がありますよね。それゆえ、いろんな不安の声が出てきています。しかし、レイ・カーツワイルはその不安の声が出ることすら予言していました!

最もわかりやすいのは、「AI(人工知能)が進化したら仕事がなくなるんじゃないか?」ですよね。もしかしたら皆さんも見たことがあるかもしれませんが、オックスフォード大学の「AIによってなくなる仕事ランキング」では、事務やオペレーターといった単純作業の仕事がなくなるのではないかと言われています。

AIZINEでもその不安や議論についてあらゆる記事が作られています。

これも、私たちがAI(人工知能)に対して何かしらの不安を感じているからこそ、このランキングが作られたということですよね。

また、その他にも

  • 「AI(人工知能)が進化したら、私たち人間のことを滅ぼしてしまうのではないか?」
  • 「AI(人工知能)が考えていることがわからない」(ブラックボックス問題)
  • 「AI(人工知能)がもし誤った判断をくだして事故を起こしたら、責任はどうするのか?」

などAI(人工知能)に対する不安や実際に活用していく上での課題点が多く上がっています。これらも実際にAI(人工知能)を使っていこうと考えているからこそ出てくるもの。つまりそれだけAI(人工知能)が私たちの身近な存在になっているということを示しています。

もしかすると、レイ・カーツワイルはAI(人工知能)に対する不安だけでなく、AI(人工知能)が身近になっていることすら予言したのかもしれません。

一人一台以上コンピュータを持って、より「個人」に特化した形になっている

コンピューターのイメージ

未来予測ときくと、経済がどんな方向に向かうとか大きな方向ばかり言われがちですよね。レイ・カーツワイルの予言のすごいところは、こういった個人の行動を読み当てることもできるところです。

前までは大きいデスクトップでのパソコンを一つ持っていれば十分だったという人も多いですよね。それが今では家ではデスクトップつかって外出先ではノートパソコンもしくはタブレットを使う、という人も結構多いはず。また今ではスマホがあればほとんどパソコンと同じように仕事をすることもできるでしょう。

まえだまえだ
まえだまえだ

私も今仕事で使っているパソコンはちょっと重いので、打ち合わせ用に最近タブレット使っています。ちなみにこの記事書いているときもタブレットにキーボードつなげています。これなら外出先でも記事書くこともできるので、便利!

そして「個人に特化する」としているのは、個人に向けたおすすめや個人情報などのさまざまな情報が集められているからです。わかりやすくいうと、Googleは皆さん個人の検索のデータを集めて予測変換のおすすめを出しています。あとはAmazonでお買い物する人は購入したオススメなどは、その人の個人の情報に基づいています。これらの情報は他のコンピュータとは違った、特化されていますよね。またそれにあわせて、購入するときに入力するクレジットカードや銀行の口座の情報を保存しているかもしれません。(パソコンだけでなく、スマホも含めて)

そうするとセキュリティはとても大事になっているはず。ちなみにその「パソコンなどのハッカーなどの懸念がある」というところも、レイ・カーツワイルは予言していました。さすがです。

通信機器はいたるところに埋め込みされている!

通信のイメージ

レイ・カーツワイルは1999年の地点で「通信機器があらゆるところに埋め込まれている」と予言をしましたが、これも現在ではばっちり実現しています。それを実証するために、少し前のインターネットの機械を思い出してみましょう。

レイ・カーツワイルが予言を発表した1999年当時、(私の家では)インターネットをつなぐのには「モデム」から線を電話機につないで、電話回線を通して接続していました。つまり線も機械も、目に見える範囲にあった記憶があります。そうなるとインターネットが使える場所は家やオフィスなど、限られた場所だけになりますよね。

それが今や(一部有線でつないでいる機械もありますが)、Wi-fiや無線LANでつなげるようになり、その通信機器も床に埋め込まれていたりしますよね。しかもお店とか会社とか特定の場所だけでなく、地下鉄の中や街中(東京や大阪、神戸、福岡とかも含めて)にもフリーWi-fiが飛んでいます。それによって、インターネットは外出先など場所を問わず使えるようになりました。

ちなみに街中にフリーWi-fiが飛んでいるのは日本に限った話ではなく(むしろその辺りにおいては日本の方が導入が遅れているぐらい)、アメリカでは5都市、カナダでは2都市、その他ヨーロッパ各国やブラジル、マレーシア、タイ、中国、アラブ首長国連邦など海外でも導入が進んでいます。これなら、私たちが海外旅行でお店などを調べたい、となっても安心ですよね。

まえだまえだ
まえだまえだ

今まで線がなかったら使えない、というのが普通だったのに20年でこんなに進化しているって、驚き。でもやはり、それを予想したレイ・カーツワイルは改めてすごいなぁ。(さっきから感心してばっかり)

生徒同士がオンラインで話し合いができるようになっている!?

オンラインMTGのイメージ

レイ・カーツワイルは「オンラインで生徒同士が話し合っている」と予言しました。私の観測範囲ではまだ実現しているとは言いきれない部分もありますが、一部オンライン同士で話し合いをしている場所があります。

例えば学校の場ではないのですが、私のように会社員同士でもクライアントとの会議はオンラインミーティングで話し合うのが増えています。営業にとっても、クライアントの会社へ行くまでの交通費や時間等を考えると、オンラインでミーティングする方が効率的だからです。

最近では徳島大学が、一部の授業でオンラインの会議ツールである「Zoom」を活用することを発表しています。これはZoomを使って授業の動画を共有するだけでなく、他の生徒とディスカッションさせたり、ホワイトボードに書き込んだりなどで、離れていても授業を受けているようなことができるとのこと。授業をリアルタイムでつなげることで生徒からの質問や意見などを反映させることができるようになるので、授業に対して積極的に参加できるようになるでしょう。

となるとこの試みが成功すれば、レイ・カーツワイルの予言が実現するかもしれません。

私たちが、働く上で日々新しいスキルを身につけようとしている

勉強のイメージ

これはまさに大当たりですよね。私たちは日々新しいスキルを身につけようと勉強しています。

個人的には、その原動力はAI(人工知能)に仕事を奪われないようにしたいもありますが、何より仕事の範囲が広くなるのでそれに合わせて知識を得ていく必要があるな・・・と感じています。というのも、現段階のAI(人工知能)は限られた範囲でしか判断・行動ができないので、作業だけでなく「仕事」全般を行っていくのは人間しかできないためです。

まえだまえだ
まえだまえだ

私の場合はWebライターでありながら、Webマーケティング全般や日々変化する検索エンジンの仕組みやSEOについて、またWebそのものの仕組みなどなども勉強しています。専門用語ばっかりで本当に難しい・・・。

一方、連載コンテンツを持っているつっちーはAIエンジニアになるべく仕事の時間外で機械学習やらエンジニアとしてのスキルを日々学んでいます。仕事では営業の資料作成だったり記事作成だったりするかたわらで勉強しつづける姿勢、尊敬します。

※実際にその勉強の成果(?)としてかかれている記事はこちら

つまり一言でまとめると、私たちに求められているのは一つの作業を極めていく「スペシャリスト」よりも、あらゆる仕事を全般的に知っておく「ゼネラリスト」のスキルなのかもしれません。レイ・カーツワイルはそんな世の中の動きになると予想していたのでしょう。

そしてここからは、まだ実現途中の予言について見ていきます。

仮想現実と現実が一緒になっている

仮想現実のイメージ

レイ・カーツワイルはVRの発展についてかなり関心を持っていました。VRが登場したのは2016年ですが、もちろんこの登場もレイ・カーツワイルの予言の中に含まれています。

そしてVRのマウントディスプレイは、いまや「VR単体で楽しむことができるもの」だけでなく「VRと現実世界をミックスさせる」という機能も登場しました。そしてレイ・カーツワイルは「VRと現実の境目がどんどんなくなっていく」と予測しています。

その代表例としてあげられるのが「AR」(拡張現実)です。これは実際の風景に仮装現実の情報を重ね合わせて、現実を拡張する、というシステムのことです。わかりやすくいうと、ポケモンGoのように現実の位置情報とVR(仮想現実)を照らし合わせてポケモンが出たり、現実にある電柱などのものに合わせて動くようになっていますよね。そして大阪万博では、AI(人工知能)だけでなくARを使ったキャラクターのアトラクションも企画されています。

※ARについて詳しい説明はこちら

またレイ・カーツワイルがVR関連で予言していたとおり、合わせて三次元で見ることができるホログラムのディスプレイも登場しています。そしてレイ・カーツワイルがVRについて今後はどうなるのかというと、2030年頃に脳内に直接機械をつなぐことができるようになり、VRを見ることができるようになると予測しています。そうなったときには、人間の1日の大半がVRで過ごすことになるとのことも。

まえだまえだ
まえだまえだ

働くのはAI(人工知能)に任せるって感じなのかな。

もはやレイ・カーツワイルの予言通り、VRを超えたARの世界が広まって行くのも時間の問題なのかもしれません。

いずれは不老不死になっている!?

不老不死のイメージ

レイ・カーツワイルは「ポスト・ヒューマン誕生」にて、「人体のバージョンアップによって不老不死になる」と予言しています。これに関してはまだ実現はしていないものの、レイ・カーツワイル自身が今実証していることがあります。

なんでも、まずは腎臓や心臓などの器官を技術によって強くして、自らの体で病気を直したりデトックス(毒素を体の外に出す)して健康になるとのこと。「えっ、本当にそんなことできるの?」と多くの人は疑問を持ちますよね。

これを実証するために、レイ・カーツワイル自身が1日200錠ものサプリメントを飲んだり、栄養注射を打って消化器官に負担をかけない生活をしています。実際にレイ・カーツワイルは30代で糖尿病にかかった経験がありますが、独自で治療法を考え実践して現在では克服したとのこと。

医療の専門家でないのにすごいですが、果たしてレイ・カーツワイルはサプリを飲み続けつつも不老不死になれるのでしょうか。現在71歳ですが、どうなることやら。

またテクノロジーが進化していくと、今後進化したAI(人工知能)と私たち人間の体に組み入れて「サイボーグ」になろう!という動きもあります。カーツワイル自身も「早く機械を体の中にいれたい」と話している通り、先ほどの消化器官や体の機能を増強させるのも、機械を体に取り入れることで可能になるんだとか。現在の医療の発展も踏まえると、将来の治療法に「機械を手術で入れる」が加わる日も遠くないかもしれません。

まえだまえだ
まえだまえだ

でも不老不死や機械を体に取り入れるっていうのは、個人的にはちょっと怖い気がするなぁ。

※実際に神戸大学の塚本教授が同じ説を主張していて、自らマウント・ディスプレイをつけて脈拍や目の動き等を計測しているとのこと。詳しくはこちら

また一部の人たちは、これに似た考えとして「トランスヒューマニズム」を広めています。トランスヒューマニズムとは人体の冷凍保存や、テロメアという物質を使って細胞分裂を起こして不老不死を実現する・・・という考えのことです。

※さらに詳しい話は、実際にトランスヒューマニズムの説明会に行ってきたつっちーが記事にしています

レイ・カーツワイルは自分のお墓に亡くなった年を「ever(永遠)」と書いているとのことで、もしかしたら彼自身が不老不死になりたいと願っているのかもしれません。

レイ・カーツワイルの唱える「シンギュラリティ(技術的特異点)」の意味とは

科学技術のイメージ

そんなレイ・カーツワイルの予言の中でも最も有名になったのが「シンギュラリティ(技術的特異点)」です。もともとこの考え方は19世紀から存在していたのですが、カーツワイルはさまざまな根拠を立てて、2005年に出版した本「シンギュラリティは近い」で詳しくシンギュラリティの説を打ち出しました。

シンギュラリティの意味についてはAIZINE内でもいろんな記事が出ていますが、この記事では「特異点」という元々の数学用語の意味から説明しましょう。説明の関係上、方程式が登場してちょっと難しく感じる人もいるかもしれませんが、説明していることはそんなに難しくないのでご安心ください。

例えばy=1/xという方程式があった場合、
x=2の場合、y=½
x=1の場合、y=1
x=0.5の場合、y=2
と、xの値がだんだん小さくなるにつれてyの値が大きくなりますよね。でもyの値はどんどん大きくなって、どんどん無限大に近づいていくのが「特異点」です。つまりで特異点(シンギュラリティ)の意味をかなりざっくり置き換えると「ルールが使えないところ」ぐらいの意味でしょう。

この特異点(シンギュラリティ)の意味をAI(人工知能)の発展に置き換えたのが「技術的特異点」、つまり私たちに知られている「シンギュラリティ」です。レイ・カーツワイルはシンギュラリティの意味を「人間が生み出したテクノロジーの変化の速度は加速していて、その威力は、指数関数的な速度で拡大している」というのを前提にして、「ある点を境にして、AI(人工知能)が私たちの知能を超えて予測できない範囲に成長しはじめるとき」とまとめています。

ちなみにこのテクノロジーの変化の速度についての考え方を支えるのが「収穫加速の原則」です。

「収穫加速の原則」とは
一つの重要な発明が他の発明と結びつき、次の重要な発明が登場するまでの時間が短縮し、イノベーションの速度を加速することにより、科学技術は直線的グラフでなく指数関数的に進歩していくという経験則のことである。
引用:Wikipedia

指数関数的とは:かけ算のようにどんどん増えていくこと。例えば1年間で人間が成長する度合いが「1」ずつだった場合、
人間の成長:1、2、3、4、5・・・
AI(人工知能)の成長:1、2、4、8、16・・・
→5年後の成長度合いは人間が「5」、AI(人工知能)が「16」となっているので、AI(人工知能)の方が発展している、といえますよね。詳しくはこの記事でも解説。

この法則のもとになったのは、インテルの創始者の一人であるゴードン・ムーアが発見した「ムーアの法則」です。ムーアはコンピューターの回路の集積密度が1年~2年で倍増しているということを発見し、コンピューターの発展をこれになぞらえて法則と名付けました。

つまり収穫加速の原則をすごくざっくり言うと、AI(人工知能)の発明が別の発明と結びつくことで、AI(人工知能)と別の発明が結びついた新しい発明が割とすぐ登場したり・・・という掛け合わせによって科学技術が成長する、という考え方です。(ただし本当に科学技術が進歩しているのか?と収穫加速の原則に対して疑問の声が上がっていることも事実です)

そして「これから数十年のうちに、情報テクノロジー(IT)が、人間の知識や技量をすべて包含し、ついには、人間の脳に備わったパターン認識力や、問題解決能力や、感情や道徳に関わる知能すらも取り込むようになる」と予測しています。つまり人間と同じように感情や思考回路をもったAI(人工知能)が現れるということ。実際にレイ・カーツワイルは脳の思考回路を再現する技術も日々進化している、と話しています。

※詳しくはこちらの記事でも解説しています

この考えが発表された当時は「バカバカしい」「そんなの実現するわけないでしょ」と反対の声ばかりが上がりました。また、レイ・カーツワイル自身も「この考えを受け入れるのに40年程度かかった」といっています。でも、そんなシンギュラリティが今「2045年問題」として話題になっていますよね。それがなぜなのか、次で詳しく見ていきましょう。

シンギュラリティが「2045年問題」と呼ばれるのはなぜ?

未来のイメージ

これまで他にもいろんな人がシンギュラリティの概念を唱えてきたのですが、なぜ今になって話題になっているのかというと、このシンギュラリティ(技術的特異点)が説得力を帯びて来ているからです。先ほどのレイ・カーツワイルの予言の的中率やシンギュラリティを支える収穫加速の法則などを考えると、実際に起きてもおかしくない、と考える人が増えてきました。

そうなると、「AI(人工知能)が人間よりも賢くなる!」ことで発生する問題を「2045年問題」と呼んでいます。これはレイ・カーツワイルがシンギュラリティ(技術的特異点)が起きるのが2045年ごろではないかと予測しているため、この名前がつけられました。ちなみにシンギュラリティが起こることで発生する問題といえば、先ほども出てきたようなAI(人工知能)による失業問題や倫理の問題などのことを指しています。

※ただし先ほどの「指数関数的な発展」が当てはまるなら、もしかしたらシンギュラリティが来るのがもっと早まるかもしれません。実際にそんな説もあちこちでささやかれています。

また、そんな2045年問題へはいろんな意見が寄せられています。この記事を読めば、今後を生きるヒントを得られるでしょう。

確かにAI(人工知能)が賢くなると「人間にしかできないことってなんだ?」「AI(人工知能)に仕事を取られたらどうすればいいの?」という不安になりますよね。となると、来たる2045年もしくはそれ以前から、私たち自身がどう生きていけばいいのかを考えて行動する必要があるかもしれません。

まとめ
ということで、「レイ・カーツワイルという人物像と彼の唱える未来予想」についてお伝えしてきました。ざっと今回の内容を振り返ってみましょう。

まず、レイ・カーツワイルは「発明家」で「未来予想家」ということ。これまで私たちの日常でも使われていそうなものを発明してきました。

レイ・カーツワイルのすごいところは、これまでの予言がいくつも当たっているところです。VRが一般に広まっていたり、AI(人工知能)に対する不安を抱えていたり・・・などなど。この予言がいくつも実現しているので、レイ・カーツワイルの予言は信用できる部分があるかもしれません。

そしてレイ・カーツワイルがこれから起こる未来として予想したのが「シンギュラリティ」。もともと数学で使われていた概念を技術の発展におきかえて「技術的特異点」としてこの言葉を広めました。

そしてシンギュラリティとほぼ同じ意味の言葉として「2045年問題」があります。レイ・カーツワイルはシンギュラリティが起こるのが2045年頃ではないかと定義していますが、その影響や不安の声も出てきています。

今まで「レイ・カーツワイルって名前だけ聞いたことあった」という人も、今回の記事を読むと「結構すごい」「シンギュラリティももしかしたら本当に起こるのかも」と感じるかもしれません。

シンギュラリティがいつ来るにしても、AI(人工知能)に負けないスキルを磨くのもよし、どうやったらAI(人工知能)と一緒に生きていけるかを考えるのもよし、すべてはあなたの行動次第。今後もレイ・カーツワイルの予言に注目しつつ、シンギュラリティがきてもおかしくないように準備しましょう!

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